皆さんは、「インナーチャイルド」という言葉をご存じでしょうか?
インナーチャイルドとは、「傷付いた子供の頃の自分」みたいな意味だそうですが、このインナーチャイルドが人生を生きづらくさせる原因になっていることがある、というのです。
確かに、「三つ子の魂、百まで」と言われるように、子供の頃に身に付いたものは、大人になっても変わることはない、と言われます。
なので、子供の頃のトラウマによって、例えば、自分を責めるクセを持ってしまった人は、大人になっても、何かにつけ自分を責めてしまって、そのことで生きづらさを感じたり、良好な人間関係が結べなかったり…ということがあるかもしれません。
私も、そうでした。
なので、インナーチャイルドを癒したくて、本を読んだり、感情を吐き出したり、子供の自分に話しかけたり、いろんなことを試しました。
でも、いつになってもインナーチャイルドが消えてくれることはありませんでした。
ですが、最近になって、あることに気付いて試してみたら、効果を感じられましたので、今日はそのことについて、私の体験談も交えてお話ししてみたいと思います。
因みに私は、インナーチャイルドの癒しを専門にしているわけではないので、インナーチャイルドについて全てを理解しているわけではありませんが、例えば、
- ついつい自分を責めてしまう
- どうしようもなく憂鬱になってしまう
- 怒りが抑えられない
- 悲しくて仕方がない
など、人生に生き苦しさを感じている方、
そして、又、その原因が、
「子供の頃のトラウマにあるのではないか?」
と思われる方にとって、参考になる記事ではないかと思います。
それでは本題に入りたいと思いますが、まずはインナーチャイルドの「正体」と、その「癒し方」について説明して、その後に、私の体験談についてお話ししてみたいと思います。
インナーチャイルドの正体は「フラッシュバック」
タイトルで既にお分かりだと思いますが(笑)
私は、インナーチャイルドというのは、過去のトラウマがフラッシュバックした状態ではないかと思います。
よく、”インナーチャイルドが顔を出す”という表現がありますが、上記のように「過去の自分がフラッシュバックしている」と考えると、普段の自分ではなくなってしまったり、感情のコントロールが難しくなってしまうのも、納得がいきます。
因みに、フラッシュバックとは「よみがえり」のことで、過去の感情や感覚が蘇って再現されることを言います。
このサイトでも「PTSD」の症状の一つとして紹介していますが、私は、フラッシュバックは特別なことではなく、大なり小なり、みんな経験していることだと思うんですね。(フラッシュバックについての詳細は、以下のページの【④侵入的思考とフラッシュバック】を参照して下さい⇒『PTSDについて』)
例えば、人前で緊張してしまって上手く話せなかった場合、次に同じような場面に出会った時に、人前に立つ前から、凄く不安になったり、ドキドキしたり…というような経験は誰にでもあると思います。
そんなふうに、一度、苦い思いを味わってしまうと、似たような場面に出会った時に、心がざわついてしまう…。それは、過去における自分の心境だったり、感覚だったりが、フラッシュバックしているから、なのです。
そしてこれは、何も、その人の心が弱いからとか、その人が変だからということではなく、脳の機能によるもので、脳には、元々、そんな機能が備わっているのです。
例えば、「パブロフの犬」が分かりやすい例だと思うのですが、
これは、犬にご飯を食べさせている時に、常にベルの音を聞かせていると、やがて犬は、ご飯が無くても、ベルの音を聞いただけで、唾液を出すようになる、という実験のことです。
このように、脳には、繰り返ししていることとか、若しくは、強烈なインパクトのあることが刷り込まれると、その時と似たような状況になった時に、その時に感じた感情や感覚、身体症状を「再現する」という機能があるのです。
だから、例えば子供の時、ご飯中に、いつもお母さんに怒られていたりとか、残さないように厳しく注意されていた人は、大人になってから、会食が苦手だったり、あまり食べられなかったり、食事を楽しむという感覚が持てなかったりする可能性が高くなります。
これは、子供の頃、食事中に、その人が本当に辛い思いをしていた、とうことで、
同じ「食事をする」という場面で、その、子供の頃の感情がフラッシュバックしてしまい、
本来なら、楽しくリラックスして食事ができるところ、憂鬱な気分になってしまう…ということなのです。
つまり、
辛いなぁ、イヤだなぁ、とか、
本当はすごく、怒っていたとか、悲しかったとか、
嫌われる恐怖とか、
そんな、子供の頃の感覚がフラッシュバックした自分
それが、インナーチャイルドの「正体」ではないか?
と、私は思います。
インナーチャイルドの癒し方
インナーチャイルドの正体が分かったところで、次に、その癒し方ですが…。
インナーチャイルドは子供の頃の自分なので、よく、自分とは別の存在として捉えて、その子を癒しましょうみたいなことが言われます。
そして、その、癒す手段として、感情をノートに書くとか、その子に話しかける、というようなことも言われます。
中には、スピリチュアルなヒーリングを利用する人もいると思います。
どれも、本当に良い方法だと思います。
でも、私の場合、
普段は、冷静に、自分の中のインナーチャイルドに話しかけて、癒そうとしてあげることができても、
何かあった時、すごく辛い時に、その子に話しかけるとか、その子を癒すとかが、どうしてもできなかったのです。
恐らく、私の中で、インナーチャイルドって、何か、こう…絵本の中の登場人物みたいな感じで、自分自身と思えなかったのだと思います。
そんな、ボヤンとした状態だったから、せっかくの良い方法も、いくら試しても、インナーチャイルドが癒せなかったのだと思います。
では、私のように、どうしてもインナーチャイルドが癒せない、インナーチャイルドを自分として捉えられないという人は、どうしたらいいのでしょうか…?
そういう人にお勧めなのが、先ほどインナーチャイルドの正体のところでお話しした、
『フラッシュバック』という脳の機能を理解する
という、ちょっぴり理論的なやり方です。
実際に、インナーチャイルドが癒された…と思った出来事
ここからは、私の体験談になるのですが、
私は子供の頃に、自分の家なのに居候のような感覚になってしまうくらい、家族の愛を感じることができずに育ちました。自分は居てはいけない存在だと思っていて、家出したい、自殺したいと思ったことも何度もあります。
でも、これは別のページに詳しく書きましたが、スピリチュアリズムという宇宙の法則に出会って、自分が、何故こんな運命に生まれたのかが分かって、全て納得して、今では離れて暮らす家族とも、良好な関係を持つことができています。(スピリチュアリズムについての詳細はこちら⇒『スピリチュアリズムについて』)
ですがある時、本当にちょっとした家族間のトラブルがあって、その時、私は、ものすご~く憂鬱な気分になってしまったのです。本当に大したことではなかったのに、何もしたくなくなるくらい、気分が落ち込んでしまったのです。
その時、私は、
「これって、もしかして、子供の頃の感覚がフラッシュバックしてる?」
と思いました。
「似たような状況に出会って、脳が、子供の時の感情を再現している」
「だから、今感じている感覚は、子供の頃の自分が感じていた感情なんだ」
そう思ったら、
「あの時、私、こう思っていたんだ…」
「こんなに辛かったんだ」
と、自分の感情を、少し離れたところから、冷静に見つめることができたのです。
更に、
「わー、これは辛い」
「大変だったな」
「よく頑張って生きていたな」
と、「自分、エライじゃん」みたいな気持ちになって(笑)
そうしたら、憂鬱な気分が、本当に薄らいできたのです!
私は、「これが、インナーチャイルドを癒すってことかぁ」と実感しました。
同じ、「子供の自分に話しかける、労わる」という作業なのに、今回上手くいったのは、フラッシュバックという脳の機能を理解することで、
今の自分と、子供の自分を区別しつつも、
自分のこととして考えられたから、
だと思います。
まとめ
なんだか、ちょっとややこしくなってきたので、まとめると…。
「どうしてもインナーチャイルドが癒せない(>_<)」という人は、人間の脳にある、「ある機能」を理解するといいと思います。
それは、脳にある、過去に感じた感情や感覚を再現する
『フラッシュバック』
という機能です。
つまり、もしも今、あなたが、辛い思いをしていたとしても、
それは、目の前の出来事に対する感情ではなくて、
過去の自分(インナーチャイルド)が感じていたもの
…ということを理解することです。
もっと平たく言うと、あまり良い例えじゃないかもしれませんが、
「いたこ」が霊を降ろして、霊の気持ちを代弁しているみたいな感じ(笑)です。
だから、あなたが感じているけれども、実は、
過去の自分が、過去において感じた感情で、
それがフラッシュバックしている、
ということなのです。
そう考えると、今の自分と、過去の自分を、切り離して考えられると思うんですね。
そうすることで、感情を少し離れたところから冷静に見つめることができると思います。
「昔は、こんなに辛かったんだ」
「こんなに辛い思いをしていたんだ」
「そういえば、こんな気持ちだったな…」
みたいに。
その上で、インナーチャイルドの癒しを実践してみて下さい。
初めに書いたように、ノートに書いたり、話しかけたり、ヒーリングを受けたりして、その、傷付いた感情を、過去の自分を、思いっきり労わってあげて下さい。
そうすれば、あなたの中のインナーチャイルドは、きっと笑顔になってくれるはずです。
因みに私は、先ほど書いたように、子供の自分に労いの言葉をかけてあげられたと同時に、冷静になれた分、解決策を考えることもできました。
「今度会ったら、ああ言って、こう言って、誤解を解いて…」みたいに(笑)
で、後日実行して、もちろん上手くいって、それ以上気まずくならずに済みました(*´▽`*)
こんなふうに冷静に解決策を考えられたのは、辛い感情を、今の自分と切り離したことで、その出来事を俯瞰して見られたからだと思います。
この様に、今の自分と、子供の頃の自分を切り離して考えられると、今の自分は、ちゃんと「ここ」にいるので、本来の自分でいられます。
人間というのは時々、負の感情など、エゴに支配されて、魂が誤作動を起こしてしまうことがあります。
でも、ありのままの…、本来の魂のままの自分でいられたら、いろんな事がうまくいくようになっているんですよね(^_-)-☆
まぁ、もちろん、これでインナーチャイルドが完全に消えたとは思いません(;^_^A
何故なら、過去のトラウマは1つではないからです。
でも、また辛くなった時、上手くいかないことがあった時、
辛い気持ちや、モヤモヤを切り離して考えることで、
冷静に解決策を考えられると思いますし、
何より、今までみたいに、
ただ、ひたすら、感情の沼に落ちていったり、
再び浮上するまで、ただ、うだうだしたり、
大事なことから逃げたり、
そういうことは、なくなるかなぁと思います(*^^*)
とうわけで、長くなりましたが、今日は、どうしてもインナーチャイルドが癒せないという方に向けて、その「正体」と「癒し方」を、私の体験談を交えてお話ししてみました。
少しでも参考になれば幸いです。
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